フーバー ジラール・ペルゴー(MIMO)製 NOS 1940年代
ドイツ・ミュンヘンに存在した老舗高級宝飾品店〈フーバー〉。一般的にその名を知られる存在ではないものの、その腕時計のコレクションは他を圧倒するハイクオリティなものが揃います。特に1930年代〜40年代のアール・デコを基調としたユニークなデザインの腕時計はデザイン性の面でも非常に高い評価を受けている、知る人ぞ知るマニアックなブランドです。
今回の個体はその特徴を体現するかのような逸品。手掛けたのは〈ミモ〉、つまり〈ジラール・ペルゴー〉です。ミモは1889年にオットー・グラエフによってスイスのラ・ショー=ド=フォンに設立された時計メーカー〈Graef & Co.〉が1918年に発表したブランド。グラエフ社は1928年に名門時計メーカーの〈ジラール・ペルゴ〉を買収し、その後同社はミモとジラール・ペルゴの両ブランド名で多くの高級腕時計をリリースすることとなります。ちなみにブランド名の”MIMO”は、”Manufacture Internationale de Montres d’Or”の頭文字をから来ています。
シルバーに仕上げた盤面で上品に際立つホワイトエナメルのミニッツレール。それに沿うようにルーレットスタイルで配置されたローマ数字は控えめなサイズで描かれており、中央に適度な余白を生むことで独特の気品ある表情を形作っています。
さらにこの文字盤の芸術性はサブセコンドがないセンターセコンド仕様に拠るところが大きく、同時にローマ数字のボリュームに合わせたシンプルな三針によって美しい調和がもたらされています。この調和こそ、上下左右が線対称となるセンターセコンド独自のデザイン的優位性です。
搭載するムーブメントは、A.シルト(A.S.)社のエボーシュをベースとした耐震装置付きの手巻きモデル。このエボーシュ自体、ミモ以外にも多くのミリタリーウォッチで採用されており、タフな使用環境に対応する質実剛健な作りが魅力的です。クラシカルな三つ指のブリッジが独特の直線的なスタイルにチューニングされている点も興味深い一機。
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