現在も多くのファンを持ち、スイスのウォッチブランドを牽引する名門〈ロンジン〉。1940年代に製造されたこちらの腕時計は、当時英国市場向けに企画されたユニークな個体。 ロイヤルゴールドと呼ばれ英国王室にも愛された9金無垢をケース素材に採用したドレッシーな腕時計ですが、そのケースデザインは極めて個性的。通常円筒の形状をとることが多い腕時計のケースですが、こちらは分厚く丸みを帯びたシルエットで、しかも当時のドレスウォッチとしては大ぶりなサイズとなっています。 またラグデザインも他にあまり類を見ないスタイルで、ラビット・ラグとでも名付けられるであろう独創的なデザインとなっています。正面から見ると一文字、サイドから見ると三日月のようなシルエット。一見クラシックでありながら、その枠から半歩踏み出した絶妙な個性。 文字盤はシンプルながらエンボス成型とゴールドプレートで緻密に仕上げられたアラビア全数字インデックスに、こちらも極めて精緻な曲線美を見せるリーフ針を備えています。 搭載するムーブメントは、CAL.12.68Z。伝統的な粒金仕上げの機体は分厚く抜かれた耐久性の高いパーツで構成され、長期の使用に耐える高い基礎体力を持ったロンジンきっての傑作機です。