1930年代の《J.W.ベンソン》のクラシックな腕時計が入荷しています。 英国ロンドンの王室御用達ジュエラーとして知られるJ.W.ベンソン。日本では、戦後復興の立役者でもある実業家・白洲次郎が愛用した時計ブランドとしても有名です。 ☞J.W.ベンソンの歴史についてはこちら こちらは戦前のベンソンを代表するクッションケース×ポーセリンダイヤルのトロピカル・モデル。白磁製の文字盤を採用することで日焼けを防ぎ、当時まだ稀少だったねじ込み式の裏蓋によって防汗性、防塵性が高められており、優雅な見た目とは裏腹なタフさを併せ持ちます。大振りなアラビア数字やクラシックなオニオンハンドに配される夜光の風合いもさることながら、レイルウェイ・インデックスで装飾的に仕上げられたアール・デコ様式の文字盤デザインも秀逸。 ケースは当時の最高級腕時計に用いられていた、《フランソワ・ボーゲル(François Borgel)》社が手掛けたもので、裏蓋の内側に"FB"のイニシャルと鍵のロゴマークが見られます。”STAYBRITE(ステイブライト)”とはステンレススチールの一種ですが、当時のものはロジウムが配合された高級品。独特の硬質感とマットな風合いが魅力的です。防塵製、耐磁性を高める軟鉄のインナーキャップも見逃せません。 J.W.ベンソンは基本的に他メーカーからムーブメントを調達しており、こちらはスイスのシーマ(CYMA)社製のムーブメントCAL.022を搭載しています。各穴石にゴールドシャトンを備えた高級仕様のムーブメントで、テンプにはシーマが開発した「シーマフレックス(CYMAFLEX)」と呼ばれる独自の耐震装置が見られます。 素晴らしいことに、こちらの腕時計には当時の化粧箱のほか、裏蓋を開閉するための専用オープナーが付属する稀少なセットとなります。