1940年代の《アンジェラス》のクロノグラフをご紹介します。 アンジェラスはクロノグラフの名門として知られる、いわゆる「独立系」の時計メーカー。1891年にスイスのル・ロックルでシュトルツ兄弟によって設立され、自社でクロノグラフのムーブメントを製造できた数少ないマニュファクチュール。 こちらはそのアンジェラスの手がけたムーブメントの中でも傑作の誉れ高く、清算本数の少ないCAL.215を搭載したクロノグラフ。コラムホイール・キャリングアームを採用する典型的な高級ムーブメントで、何よりも目を引くのは地盤を用いない独特の構造。本来地盤の下に隠れる角穴車や丸穴車などが露出したスケルトンデザインは、同社の特徴でもあります。パーツの面取りも美しく、オールド・ムーブメントらしい手の込んだハイエンドな仕上げも魅力のひとつ。 文字盤には永久秒針と、希少な45分積算計を装備。立体的なアラビア数字インデックスに、優美なリーフ型の時分針の組み合わせが高級感を誘います。一般的にはタキメーターやテレメーターが備わるクロノグラフですが、それらが省略されている分すっきりとしたモダンな印象に仕上がっています。文字盤の各意匠が全てゴールドで統一されているのがポイント。 上品なゴールドケースは、当時10年間の品質保証が付与されたゴールドプレート。シリンダーケースと呼ばれるミリタリーテイストの独特のスタイルが、ストイックな文字盤の表情ともマッチしています。ラグは固定式となります。