1940年代の《レヴュー》の腕時計「スポート」が入荷しています。 特徴的なオクタゴナル(八角形)ケースにラウンド型のブラック文字盤の組み合わせという、アール・デコの影響を強く受けたデザインの腕時計。懐中時計から腕時計へとスタンダードがほぼ移行した時期において、まず大きなデザインの変更を受けたのが、ケースの形状でした。ポケットから取り出す必要がなくなった分、こちらのように直線的・幾何学的なインスピレーションによるケースデザインが多く見られる時期でもあります。 やや大振りなアラビア全数字の夜光インデックスやレイルウェイ・インデックス、ペンシルハンドといった味わい深い意匠が目を引く中で、とりわけ注射器のような可愛らしい時分針がユニーク。質実剛健なステンレスチールケースの雰囲気も含め、全体的にミリタリーテイストを感じさせる独特のルックスが魅力的です。着用しているビンテージのコットンベルトとの相性も◎。 ケースはフランソワ・ボーゲル(François Borgel)の特許による防水ケースが採用されています。ねじ込み式の裏蓋を外すと、"FB"のイニシャルと鍵のロゴマークが蓋の内側に見られます。内部は防塵製、耐磁性を高める軟鉄のインナーキャップが備えられるほか、テンプに耐震装置インカブロックを装備。”SPORT”の名の通りハードな着用環境が想定された堅牢な作りです。 搭載する手巻きムーブメントはCAL.53という自社ムーブメントで、”REVUE”のブランド名の下に創業者”G.D(Gédéon Thommen)”の刻印も見られます。ブリッジのストライプフィニッシュやケースエッジの面取りといった細部の丁寧な仕上げもさることながら、受け石にゴールドシャトンが備えられていたりとハイエンドな作りが魅力的。 ケースはフランソワ・ボーゲル(François Borgel)の特許による防水ケースが採用されています。ねじ込み式の裏蓋を外すと、"FB"のイニシャルと鍵のロゴマークが蓋の内側に見られます。内部は防塵製、耐磁性を高める軟鉄のインナーキャップが備えられるほか、テンプに耐震装置インカブロックを装備。”SPORT”の名の通りハードな着用環境が想定された堅牢な作りです。 レヴューはほとんど一般には知られた存在ではないものの、その歴史は古く、1853年に設立された《ヴァルデンブルク時計製造組合(Société d’ Horlogerie à Waldenburg)》が母体となります。1859年にゲデオン・トーメン(Gédéon Thommen)とルイ・チョップ(Louis Tschopp)が同組合を引き継ぎ、《トーメンSA》に改称。ムーブメントの製造からケーシングまでの作業を一貫して行う、いわゆるマニュファクチュールとして再出発を果たします。 その後1910年に同社から発表されたのがこちらの《レヴュー》。同時期に英国市場向けに《ヴァーテックス(VERTEX)》というブランドが作られています。