ロレックスのディフュージョンブランドとしても有名な、チュードルの手巻きモデルのご紹介です。 チュードルが世に出たのは1930年頃。当時高級時計として確固たる地位を築いていたロレックスは、高価ゆえに一般庶民には手が出ず販売不振に陥っていたイギリス市場向けに、大衆に知らないものはいない「テューダー家」にちなんだブランド名と、同家の紋章である「チュードル・ローズ」をロゴに採用しました。 ロレックス自体のブランド力は落とすことなく、より一般向けに紹介されたチュードルの腕時計は、そのムーブメント以外のほとんどがロレックスに使われるケースやリューズと同じものが使用されており、単なる廉価品とは全く異なる高い品質を誇っています。 こちらは小さなバラのロゴが印象的な、いわゆる「コバラ」モデル。文字盤にはギョーシェ彫りと呼ばれる細かい彫り模様が施され、ミッドセンチュリー特有の意匠ともいえる、アラビア数字とクサビ型インデックスのコンビネーションやダガーハンドが存在感を高めます。 ケースはロレックスの代名詞ともいえるオイスター・ケース。リューズもねじ込み式で、巻真とケースとの間の隙間を埋め防水性を高めています。 おそらくロレックスとの唯一の違いは搭載するムーブメント。チュードルはムーブメントにETA社の機械を使用することで、コストダウンを図っています。しかしながら、品質の高さは折り紙付き。"SHOCK-RESIST"と謳われているように、テンプの受け石には耐震装置が備えられた実用性の高いモデルです。