独特の硬質感を放つステンレススチールのクッションケースを纏った〈タヴァンヌ〉の腕時計。クラムシェル型の防水構造と耐震装置を備えたその名も「ウォータースポート」という、紛れも無い1940年代のスポーツウォッチです。 ステンレススチールの塊を削り出して作り上げられたケースは、クラムシェル構造のため裏側を4箇所のビスで留められ、メインケースと裏蓋とが入れ子のように折り重なっており、それに伴って通常のクッションケースよりもベゼル部分が肉厚に設計されているのも、このあふれる存在感の理由でもあります。 文字盤は折り重なる幾何学性に溢れたアール・デコスタイルが秀逸。外周部のレイルウェイ・インデックスにおいては、外側の1分毎のトラックと内側の1時間毎のトラックが一体化し、セクターダイヤルを思わせる太いラインで結ばれています。その内側には最も重要な1時間毎のトラック部分を光沢で切り替えているのも見逃せません。そして何より、テレビ塔に似たユニークな時分針もタヴァンヌ独自のデザインです。 搭載するムーブメントはシーマのCAL.032Kb。テンプ受けに取り付けられた大振りな耐震装置は、シーマが開発した「シーマフレックス」です。堅牢なケースにショックブルーフ設計のムーブメントを搭載し、タフな仕上がりとなっています。