知られざるウォッチブランド〈オルマ〉。その歴史は古く19世紀末に遡り、しかも現代に至ってもなお自社製品をラインナップしている稀有なブランドで、典型的なエタブリスールとして時計製造を行なっていたものの、シーリング技術の分野において特に優れた技術を持っていました。 こちらの腕時計は、その質実剛健なオルマのウォッチメイキングを体現するかのような一本。やたらと多くのスペック表記が文字盤に記載されている点以外は、飛び抜けて目を惹くデザインを持つわけでないにもかかわらず、圧倒的なオーラを放ちます。 そのオーラの源泉は、なんと言っても重厚感あふれるフルSSのスクリューバックケース。腕時計の規範のようなフォルムでありながら、よく見るとベゼルやラグがかなり分厚くとられていることに気付きます。とりわけ肉厚なベゼルの生み出す頑強で迫力のある面構えは、ミリタリーテイストのアラビア全数字インデックスや、文字盤の随所に配されたレイルウェイ・インデックスといった重厚なアール・デコデザインによって増幅されています。やや大振りなリューズのサイズも絶妙です。 ムーブメントは16石と珍しい偶数石が備えられた自動巻き機構を搭載。いわゆるバンパー・オートマティックの半回転式ローターを備えた古式ゆかしいスタイル。 着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。手揉み加工を施したイタリアンシュリンクレザーを素材に使用しています。オイルをたっぷりと含んでいるためしなやかでしっとりとした質感があり、使い込むうちに味わいのある風合いとなります。 » "anonym" LEATHER BELT (ITALIAN SHRINK / GRAY)