〈ミドー〉の代名詞とも言えるベストセラーモデル「マルチフォート」。 1934年にリリースされたこのモデルは、防水性、耐震性、対磁性を備えたケースに、自動巻きムーブメントを搭載するものとしては世界初の腕時計でした。その革新性は同時に高いデザイン性を持ち、エルメスが専用のレザーベルトを製作・販売していたほど。今で言うアップルウォッチのような存在だったのかもしれません。 とりわけ自動巻きモデルがミドーのアイコンですが、こちらは中でも希少な手巻きモデル。プゾー(Peseux)社のCAL.170がベースとなる手巻きムーブメントを搭載しています。バンパーオート式の機械を搭載したミドーの膨らみを持った裏蓋と比べ、やや薄めフラットバック形状をとっているのも特徴です。 ケースデザインは、ミドーの最もポピュラーなオクタゴナルスタイル。〈パテック・フィリップ〉のケースも数多く手掛けた〈フランソワ・ボーゲル〉製の、いわゆるFBケース。 文字盤デザインは、その多くに夜光塗料を配したルミナスダイヤルの方が多数派となるミドーの腕時計において、こちらも希少なノンルミナスタイプ。小振りなアラビア全数字インデックスに、美しいテーパードを描くブルースチールのバトン針という品のあるスタイルのほか、レイルウェイ・ミニッツトラックのホワイトの配色が印象的。自動巻きモデルではないため、当然ながら"AUTOMATIC"の記載はありません。 全体的にドレス寄りのデザインを纏った、あえて「ミドーらしさ」から距離を置き独自色を強めた個体です。 着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。手揉み加工を施したイタリアンシュリンクレザーを素材に使用しています。オイルをたっぷりと含んでいるためしなやかでしっとりとした質感があり、使い込むうちに味わいのある風合いとなります。 » "anonym" LEATHER BELT (ITALIAN SHRINK / GRAY)
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