1887年創業という由緒正しき知られざるウォッチメゾン〈ルイ・グリゼル〉。1930年代に製造されたもので、ほぼ未使用状態を保ったニューオールドストックになります。 同社は主に高級懐中時計の製造で名を馳せ、ロマノフ朝時代のロシア市場で数多くの腕時計を販売した実績があるだけに、こちらの腕時計に関しても非常に優雅にして力強さを放っています。特に当時の角形時計としては珍しく、かなり大振りなレクタングルケースはオールステンレススチール製で、多面対のシルエットを持つユニークなデザイン。しかしながら当時SS加工技術が未発達な中、ここまで見事に仕上げているところにルイ・グリゼルというブランドのクラフツマンシップが伺えます。 文字盤はレイルウェイインデックスをはじめ、いくつもの直線が折り重なる重厚なアール・デコ・スタイル。大振りなアラビア数字やオニオン型の時分針といったクラシカルな意匠は、時代性とともに懐中時計を思わせる格調高い存在感を感じさせます。 そして見逃せないのが、バンパー式の自動巻き機構を備えたムーブメントを搭載しているという、レクタングルウォッチではまずありえない変わり種という点。いわゆるネバーワインド機構のため手で巻き上げる必要がなく、一度時刻合わせをしたらほとんどリューズに触る必要がないと言わんばかりに、リューズを極端に小さなサイズにしているのが印象的。もちろんオリジナルです。 着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。手揉み加工を施したイタリアンシュリンクレザーを素材に使用しています。オイルをたっぷりと含んでいるためしなやかでしっとりとした質感があり、使い込むうちに味わいのある風合いとなります。 » "anonym" OPEN-END LEATHER BELT (ITALIAN SHRINK / GRAY)