世界的時計メーカーとして現在も高い人気を誇る〈ブローバ〉。そのブローバが1940年代に製造した米国製腕時計が、奇跡的にほぼ未使用状態で入荷しています。 いわゆるトノー型(樽型)と呼ばれるボリューミーな流線型を持つレクタングルシェイプの一本で、特に当時のアメリカ市場で最も人気のあったスタイルを踏襲するこちらの腕時計。ホーンラグと呼ばれるツノのようなデコラティブなラグデザインも当時の特徴的なスタイルで、上品さに加えて力強い存在感を放っています。 文字盤のアラビア数字は、当時アメリカンウォッチにしばしば用いられた独特のクラシカルなスタイル。さらに随所にレイルウェイ・インデックスを用いたアール・デコを彷彿とさせる幾何学的なデザインも秀逸。「アメリカン・デコ」と呼ばれる、欧州で沸き起こったアール・デコの潮流がモダニズムの潮流と米国で混ざり合い、デコラティブでラグジュアリーな独特の腕時計デザインが生まれましたが、こちらはそれをまさに体現する一本と言えます。 ムーブメントはCAL.10BCを搭載。10.5リーニュのCAL.10系と11.5リーニュのCAL11系が存在し、多くの派生機を持つブローバの代表的なモデル。軍用時計にも採用されており、質実剛健な作りが特徴です。 ブレスレットは腕時計のやや赤みを帯びたチェリーゴールドのケースときちんと色合わせされた、販売当時に付属していた純正品。着脱が簡便かつラグジュアリーな伸縮性のあるエクスパンション構造を持つブレスレットで、当時米国で非常に高い人気を誇り、数多くのアメリカンウォッチに採用されていました。