〈ボーム〉が手がけた1940年代の腕時計がこちら。非常にハンサムなルックスに惹かれるバランス感覚に優れた一本で、個人的にかなり惚れてます。 ボーム(Baume & Co.)は〈ボーム&メルシェ〉の前身となる1851年創業のスイスの時計商社〈ボーム兄弟社(Baume Freres)〉の英国支店としてロンドンの宝飾製造地区ハットン・ガーデンに存在し、当時ロンジンの英国総代理店としての役割も担っていました。 ボームの腕時計は個体数が非常に少ないのですが、その優れたデザイン性は秀逸の一言。こちらの個体もレイルウェイ・インデックスからスモールセコンドまで折り重なるようにして配されるリズミカルな円周が、幾何学的な重厚感を演出する魅力的な文字盤デザインを持ち、そのアラビア全数字もルーレット状に配置された個性的なルックスが目を引きます。アラビア数字とともにブルースチールのペンシルハンドも夜光の風合いが味わい深く、全体的なコンディションも非常に良い状態をキープしています。 やや大振りなラウンドケースは丸みを帯びたボディが印象的で、まるで潜水服のヘルメットを思わせるユニークなフォルム。それと好対照なフラットなステップベゼルが面白いコントラストを生んでいます。ケースに埋め込まれるようにして配された大振りなリューズもポイントです。 ムーブメントは〈フォンテンメロン(FHF)〉社のCAL.175を搭載。耐震装置インカブロックを装備したショックプルーフ仕様となっています。フォンテンメロンは1793年にスイス・フォンテンメロンに設立された、エボーシュSA参加メーカーの中でも最古の歴史を誇るムーブメントメーカー。ロレックスやチュードルといった高級メゾンも同社のエボーシュを使用することもあり、高い信頼性を持っていました。 着用するベルトは当店オリジナルの〈アノニム〉。自然な細かいシボが印象的なイタリアンシュリンクレザーを使用しています。オイルをたっぷりと含んでいるためしなやかでしっとりとした質感があり、使い込むうちに味わいのある風合いとなります。 » "anonym" LEATHER BELT (ITALIAN SHRINK / GRAY)