ドイツのウォッチメーカー〈ケプラー&メルクレ〉がドイツ市場向けに展開していたブランド〈シトー〉。1960年代に製造されたこちらの腕時計は、販売当時のレザーベルトがそのまま綺麗に残った貴重なニューオールドストック(NOS)です。 ドイツ時計は他国のものと異なる、モダンとクラシックが融合して斜め上に昇華するような、どこか可愛らしさすら感じられる独特のルックスや存在感が魅力。こちらはその魅力が最大限に詰め込まれた、個人的にも愛すべき一本。 フラットなワイドベゼルを持つゴールドケースは、ステップデザインを帯びて上下に拡張したラグデザインを持つ、極めてユニークなシルエットが最大の特徴。しかしこれは決して1960年代特有のアヴァンギャルドというわけではなく、1930年代にも見られたアール・デコデザインがリバイバル的に表現されたもの。リューズもボリューム感があり、上品かつ重厚なスタイルは秀逸です。スクリューリングで防水性を確保しているのも嬉しい点。 文字盤はシャンパンゴールド×ホワイトの珍しい配色のツートーンダイヤル。アラビア数字とクサビ形インデックスを組み合わせた典型的なミッドセンチュリーのクラシックデザインながら、そのアラビア数字のフォントは大振りかつユニークそのもの。ドーフィヌハンドのボリューム感もグッド。 文字盤下部に”EB.SWISS”つまり「スイス製エボーシュ搭載」の記載があることからわかるように、ムーブメントはスイスのETA社製となるCAL.1080を搭載。”21 RUBIS”とは受け石の数を示し、通常15石や17石よりも増石されたハイエンドモデルが採用されています。耐震装置インカブロックも標準装備。