名機30mmキャリバーを搭載した〈オメガ〉のスクリューバックモデル。 まず目を引くのが、35mmのボリューム感溢れるSSケース。この大ぶりなサイズのモデルは、その多くがミリタリーテイストを中心とした力強さを主張するデザインのものが多数を占めますが、こちらはローマ数字とドットインデックスという、ありそうで滅多にない組み合わせを採用した極めて上品なルックスが持ち味。 よく見るとそれも、ローマ数字は文字盤平面に、ドットインデックスはエンボス成型したものにそれぞれゴールドメッキを施した異色の組み合わせ。平面と立体と、異なる質感が高級感と独特の雰囲気を演出しています。リーフ型の時分針も表面が盛り上がったボリューム感を持たせており、そのエレガントな曲線とともに文字盤に一体感をもたらしています。大きめのスモールセコンドもナイスバランス。 堅牢なスクリューバックケースに搭載するムーブメントは、オメガの代名詞と言える30mmキャリバーの中でも、1940年と初期に発表されたCAL.30T2。当時としては最大級の30mmの大きなサイズで設計することで精度と耐久性を高めるという、シンプルにして究極の設計思想が特徴。バイメタル切りテンプ、ブレゲヒゲゼンマイといった高級仕様が随所に見らる傑作機です。硬度を高めるため銅メッキされたパーツは非常に美しく、そのメッキ技術も当時のオメガは抜きん出ていたことで知られています。 良い腕時計を一本となれば、まずこの腕時計が挙がるであろう完成度の高い逸品。 着用するベルトは、当店オリジナルの〈アノニム〉。イタリア・トスカーナ地方の名革《ブッテーロ》を使用しています。深い経年変化も楽しめるほか、腕に馴染みやすくその着用感の良さも魅力的です。