1950年代の〈チューダー〉の腕時計が入荷しています。 ロレックスのディフュージョンブランドとしても有名なチューダーですが、ケースやリューズその他ムーブメント以外のほとんどがロレックスと同じものを採用。タフな使用環境で何度もテストを繰り返しブラッシュアップされた品質は確固たる信頼を築き、単なるディフュージョンとは全く異なる高いクオリティを誇っています。 こちらは小さなバラの紋章が文字盤に掲げられた、俗に「コバラ」と呼ばれる個体で、1952年にリリースされた「オイスター・プリンス」初期の一本。オイスター・プリンスとは、それまでロレックスにだけ使用された高気密のオイスターケースと、機能的な自動巻ムーブメントを初めてチューダーにも採用した記念碑的モデルとなりました。 「31」の数字はケースサイズを示しており、このやや小振りなボーイズサイズは製造本数の少ない極めてレアなモデル。その特徴は精緻なギョーシェ彫りが前面に施されたアイボリーの文字盤に、エンボスで仕上げられたアップライトのアラビア全数字インデックスという非常に手の込んだ仕上げ。美しいブルースチールの針とも相まって、まるで工芸品のような存在感を漂わせる逸品。 独特の美しい流線型のオイスターケースは、ねじ込み式のリューズを備えた完全防水を標榜するロレックス・チューダーの専売特許。ムーブメントはオリジナルの全回転式自動巻きモデルが搭載されています。花型の耐震装置キフショックを装備し、赤銅色にメッキされた質実剛健な、チューダーらしい一機。