1940年代に〈ベルク〉が製造した腕時計。オールステンレススチール製の角形ケースが質実剛健で力強いイメージを演出しつつ、あくまでシンプルに徹したミニマムデザインは、どこか可愛らしさすら漂う魅力的な仕上がり。ワイヤー状のラグは腕時計黎明期のトレンチウォッチに用いられたデザインで、このクラシカルなディテールも見事な調和を見せています。 文字盤はアラビア全数字を用いた無駄のないすっきりとしたデザイン。鉄道線路を文字盤デザインに落とし込んだ、「レイルウェイ・インデックス」と呼ばれるユニークなミニッツインデックスは、アール・デコ期の幾何学的デザイン様式の影響を色濃く残しています。スモールセコンドも同様に、シンプルかつリズミカルなデザイン性は、現代においても不思議と新鮮でモダンな印象すら与えます。光のさし加減で刻々と色合いを変えるツートーン仕上げも、その表情に奥行きを生むポイント。 搭載する角形ムーブメントは、ドイツの時計・宝飾品製造で有名なプフォルツハイムにあった〈パラ(para)〉社が手掛けたもの。ETA社の角形ムーブメントの名機CAL.735が基底と思われる、質実剛健な一機。 着用するベルトは、自然なシボが印象的なイタリアンシュリンクレザーを採用したadvintageオリジナル。オイルをたっぷりと含んでおり、しなやかでしっとりとした質感があります。使い込むうちに光沢が増し、味わいのある風合いとなります。