知る人ぞ知るスイスの時計メーカー、〈ウエスト・エンド・ウォッチカンパニー〉。その代表機"SOWAR(ソワール)”は、ヒンディー語で「戦士・騎馬兵」を意味しています。主に1920年代以降、当時大英帝国統治下のインドにおける陸軍(British Indian Army)に支給された腕時計で、現地の高温多湿・塵埃の多いタフな環境を考慮したタフモデル。 こちらは戦時下のモデルをアップデートし1960年代後半に作られた個体。独特の小太りなフォルムのケースは1940年代頃と変わらず、文字盤デザインもミリタリーテイストを匂わせるブラックダイヤルに白抜きのインデックス。夜光塗料がふんだんに使われたコブラハンドとアラビア全数字インデックスも、重厚感溢れる魅力的な仕上がりです。 堅牢なステンレススチール製のスクリューバックケースは、内部に軟鉄製のインナーキャップを備えることで防塵性・耐磁性を確保。裏蓋の縁に小さくブロードアローの刻印が見られるのは、ソワールの特徴のひとつ。 搭載するムーブメントは、フォンテンメロン社のエボーシュをベーストする自社機。ウエストエンド伝統の粒金仕上げが、クラシックな風情を残す美しい一機です。テンプに装備する耐震装置インカブロックは、ウエストエンドが世界で初めて採用した最も有名な耐震機構のひとつ。