ロレックスの姉妹ブランド〈オイスター・ウォッチ・カンパニー〉のカナダ向けモデル、〈ソーラー〉の腕時計。 ソーラーはカナダの有名百貨店であり、当時カナダにおけるロレックスの代理店を務めていました。「アクア」のペットネームが意味するところは、ねじ込み式のリューズとスクリューバックを備えた防水性の高さで知られるロレックスの代名詞、オイスターケースにあり、当時まだそれほど知られていなかった北米での販促の意図が見え隠れしています。 1940年代前半に製造されたこの腕時計は、第二次世界大戦中ということで人気の高かった24時間表記のミリタリーダイヤル。俗にマジェスティックダイヤルとも呼ばれますが、ロレックスの腕時計にもしばしば見受けられる人気の高い文字盤デザインです。夜光が盛られたアラビア数字、ペンシルハンドが演出する軍用時計のテイスト、差し色の赤のバランスも秀逸な仕上がり。 ヴィンテージ・ステンレススチールの硬質感がたまらないオイスターケース。こちらは通常のものに比べ丸みを帯びており、そのアイコンとも言えるスクリューロックのリューズは若干小振りという希少な個体。リューズトップに”ROLEX OYSTER”と刻印されていることからも、当時のロレックスと全く同じケースが用いられているのが分かります。ハンサムな文字盤、美しく力強いケースと、全く非の打ち所のない逸品。 ムーブメントは後にチュードルにも搭載される名機、フォンテンメロン社のCAL.59。出車追加によるインダイレクト・センターセコンドの17石仕様です。