ステンレススチールの防水ケースにムーブメントに自動巻き機構を備え、ドレスウォッチで知られるロンドンの宝飾品店《J.W.ベンソン》が手掛けた腕時計の中では、かなり実用性を重視したモデル。クロノグラフを思わせるブルースチールのセンターセコンドが、文字盤外周に細かく刻まれたセコンドインデックスを視認する、力強い計器然とした佇まいが特徴。 それでも、ソリッドな印象のラウンドケースに優雅なホーンラグをさりげなく組み合わたり、ドットとアラビア数字を用いた洒落っ気のある文字盤にミリタリーテイストの三針を用いたりと、無骨さと上品を上手に組み合わせるセンスには老舗ジュエラーの矜持を感じます。 ムーブメントは、スイス・グレンヒェンのエボーシュメーカー《A・シルト》社のCAL.1250がベースとなる、バンパー式のハーフローターを備えた自動巻きモデルを搭載。戦後は自社でムーブメントを製造することのなかったJ.W.ベンソンは、様々なエボーシュを採用していたことでも知られています。バンパーが弾む独特の音や感触など、アナログ感を味わえるのが全回転式ローターにはない魅力です。